富山県議会 2022-02-22
令和4年経営企画委員会 開催日: 2022-02-22
富山県におきましては、
PFI事業の評価については、実績もなく、そういった知見もございませんので、御質問の
会計検査院の指摘の中にある
サービス面に係る定性的な効果を評価するための指標等について、監査に入る前の段階で特段の所見を述べるということは難しいかと思っておりますが、ただ、一般論としては、
PFI事業に限らず県の各種計画や事業などの成果を判断する上では、指標が設定されていると分かりやすいですし、監査におきましても、そのよりどころにもなると考えております。
そういった際に、どのような指標を設定するのがよいのかということにつきましては、それぞれの計画や事業におきまして、所管の部局において適切に検討されるものであろうと考えております。
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針山委員 私からは、県の
職員採用のことについて幾つか質問させていただきたいと思います。
来年度の
職員採用については、
ホームページを見ておりますと、1月21日、上級試験の特別募集の
最終合格発表にて活動は終了したのかな、今後また令和4年度の採用に向けて動き出すんだろうというふうに思っております。
そこで、
ホームページから取り寄せた資料の確認です。富山県の
職員採用の
上級試験実施状況の中で、令和3年度、全体の募集人員は99名ですけれども、合格者は109名。また、総合行政の募集は44名ですが、合格者は54名と。どちらも10人オーバーしておりますが、これは
補欠合格ということなのか、全員正規に採用される予定なのか、
山本人事課長にお伺いいたします。
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山本人事課長 補欠合格は10名程度出しておりますが、昨年12月時点で、合格発表した後に
採用辞退を申し出てきた方とかで大体人数が確定しましたので、辞退された分はある程度、
補欠合格の方を繰上げで採用としておりますけれども、その他の方につきましては、採用しないということで御連絡をしているところでございます。
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針山委員 合格者の中でも、
補欠合格に入られた方の中には、正規に採用されなかった方もいるということでよろしいですか。
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山本人事課長 そのとおりでございます。
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針山委員 今コロナ禍にありましても、少しずつ民間の企業のほうも経済活動がだんだん活発になってきておりまして、事業環境が大きく改善している、そういった企業もあるわけでございます。そんな中で、県の採用試験に受かったけれども、民間のほうへ行くわといった方もおいでるかと思います。例年どのくらいの方が、内定辞退と言いますか、合格を辞退されているのか、また、今年度どれぐらいそういった方がおられるのか、お聞かせください。
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山本人事課長 今年度実施いたしました
職員採用試験に合格して、本県職員に内定した201名のうち、本日、2月22日までに内定の辞退を申し出た者は5名であり、
内定辞退率は2.5%となっております。
内定者が例年より50名ほど多く、また、辞退者も18名と多かった令和2年度を除きますと、ここ5年はおおむね内定者200名程度に対しまして、辞退者は平均6名、
内定辞退率は2から3%台で推移をしているところでございます。
なお、委員から御指摘のありました、民間企業へ人が流れているのではないかということですが、面接の際に就職活動の状況を確認させていただいておりますと、民間企業と併願する受験生は少ないので、内定辞退という点では、その影響はあまりないものと考えております。
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針山委員 なかなか最近は
職員採用試験の募集をかけても申込みが少ないとか、また、倍率が低いとか、大変人材確保が難しくなっていると思います。せっかく合格された方、ぜひ県のほうで働いていっていただけるように、強力に勧めていただきたいんですけれども、合格後の、合格者に対する採用までのアプローチというのは、どんなことをしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
私は就職氷河期世代なものですから、採用が決まっても企業から宿題ばかり来とって、全く面白くないような時代を過ごしておったんですが、私らの一世代上のバブルの方などに聞きますと、採用までに会社の先輩にいろいろと食事や遊びに連れて行ってもらったりと、そんな時代もあったそうですけれども、県庁ではどういったアプローチをされているのか、人事課長にお伺いします。
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山本人事課長 採用試験に合格された方につきましては、面接のときに、本県のほうに採用される意思があるのかということは当然確認はしておりますが、合格された後に、もう一度こちらから連絡を取りまして、就職される意思があるかどうかを確認させていただいております。その確認できた方に対しまして、時期が来ましたら内定ということで通知をさせていただいております。
年度途中にもう既に、例えば離職しているとか、すぐにでも働けるという方は、年度途中に採用するということもございますけれども、基本的には4月1日採用ということになっておりまして、本年4月1日付採用の方に対しましてはこれからになりますけれども、直前になりましたら再度御連絡を取り、採用に向けた手続きもろもろをさせていただく予定になっております。
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針山委員 新卒で採用された方、特に若い職員というのは、民間企業でも自分の希望職種と合わんならすぐに辞めたり、人間関係が合わなかったらすぐ転職したり、そういったこともあります。
また、これで2年ですかね、県のほうでもUIJターン、また、就職氷河期枠など、採用枠が多様化しております。今のそういった新卒であったり、UIJターン、就職氷河期枠で採用された方の離職状況を少しお聞かせいただきたいと思います。
山本人事課長、お願いします。
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山本人事課長 採用後3年以内に自己都合で離職された職員は、平成30年度採用者では9名、離職率は5.3%でありまして、平成29年度の6.7%、平成28年度の5.0%とほぼ同水準でございました。
これを主に新卒、大卒者を対象とした上級試験採用者に限って申し上げますと、平成30年度採用者で3年以内に退職した者は1名で、離職率は1.1%、平成29年度が3.0%、平成28年度が1.9%でありまして、富山労働局が公表しております県内の新規大卒者の就職後3年以内の離職率が30%前後、平成30年度採用者のデータはまだ公表されていませんが、平成29年度が30.7%、平成28年度が29.7%であることと比較いたしますと、本県職員の離職率は低い状況にあると考えております。
また、職務経験者を対象としたUIJターン試験につきましては、平成28年度から令和3年度、この6年間で34名の職員を採用しておりまして、うち2名が転職を理由に採用後3年以内に退職をしております。
また、就職氷河期世代を対象とした試験では、今年度3名採用していますが、これまでに退職した者はおりません。
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針山委員 働きやすい、いい会社なんだと思います、県庁のほうは。UIJターンとか就職氷河期、また、職務経験者というのは、大抵どこかに勤められたのを退職して県庁に入られるといった方がほとんどだと思います。
大体一般的にですけれども、1回退職されますと仕事が長く続かないとか、すぐに転職をしてしまうといったケースの方が多いというふうに聞いております。せっかくそうやって来られた人材ですので、長く勤めていただけるように頑張っていただきたいと思います。
そこで、人材確保に向けて大変困難な状況ではありますけれども、ちょっと私調べたら、2020年10月に神戸市が初めて職員の通年採用を始めたという情報をお聞きいたしました。富山県でも優秀な人材の確保に向けて通年採用の考えはないのか、古埜人事委員会事務局長にお尋ねをいたします。
31 古埜人事委員会事務局長 通年採用について、まず現状を申し上げますと、県職員の採用というのは、地方公務員法におきまして、競争試験が原則とされておりますことから、競争試験については、公平な条件で実施するために、基本的には年1回の実施が望ましいと考えております。
したがいまして、人事委員会が実施する試験におきましては、種類は幾つかありますけれども、いずれも通年募集という形態を前提といたしまして、年に複数回試験を実施するといったようなことは、現在はやってございません。
例外的に、上級試験で一部の技術職におきまして、採用予定数を確保できないというものがございますので、それにつきましては、年末に特別募集という形で対応をしております。
一方で、試験を行いましても十分な競争者が得られない職種──医療関係の専門職などがこれに該当しますが、こういうものにつきましては、競争以外の能力の実証に基づく選考試験という形で、主に
任命権者、具体的には人事課のところにおきまして、実施されています。
そのうち、薬剤師とか獣医師など採用が極めて困難な専門職につきましては、年数回、大体四半期ごとぐらいに募集をしまして、実質的には通年募集というような形になっているかと思いますが、その上でその都度試験が実施されております。
こうした職種につきましては、地方自治体では不可欠な職種といいますか、昨今より重要性が増していますので、その一方で、そういった職種の資格を持っている方や、自治体を希望する方が少ないということもありまして、全国で奪い合いになっています。
こうしたものにつきましては、通年で広く募集をして、少しずつでも確保するといったようなことについては、一定の効果もあるのではないかなと思っております。
それに対しまして、例えば現在上級試験で実施しております総合行政のような職種につきましては、一定の申込者が大体確保できております。従来と比べますと申込み倍率も低下傾向にありますが、そうはいいましても、大体今年度におきましても、総合行政で4.6倍、約250名の申込者がございました。
そうした中で、先ほども申し上げました競争試験の考え方を踏まえて考えますと、通年募集を行って複数回の試験を実施するといったような必要性は、それほどないのではないかなと思っているところです。
ただ、複雑高度化する行政課題ですとか、多様化する県民ニーズに迅速かつ的確に対応するためには、優秀な人材を確保することが重要であると思っております。
こうしたことから、県におきましては、従来から実施している上級試験、初級試験に加えまして、先ほどお話もありましたが、平成27年度から職務経験者、いわゆるUIJターン試験、そして令和2年度から就職氷河期世代を対象とした試験を実施しておりまして、民間企業等の様々な経験、意欲や能力を有する多様な人材の確保に努めているところでございます。
これらの試験におきましては、スタート当初は総合行政と総合土木だけでしたが、今年度は7職種に拡大いたしました。その中には、昨今DXということが叫ばれておりますが、そうしたものに対応できるように、ICTの職務経験者を対象としたデジタル区分を設けるなど、試験においても工夫しながら取り組んでいるところでございます。
それから、上級試験についても、34歳まで受験できるということになっておりますので、県職員の場合、3月31日が定年退職日とされており、どうしても4月採用というのがメインになりますが、一定の既卒者も中にはおられまして、これは人事課が所管しておりますけれども、既卒者の意向も確認した上で、可能な場合は4月を待たずして年度途中でも採用を実施しているといった状況でございます。
それから、今ほど採用試験の工夫について、るる述べましたが、やはり優秀な人材確保には、その採用試験を実際受けていただくということがまた重要ですので、これまでも県職員の魅力や働きがいなども積極的にアピールするために、県政概要の説明に加えまして、若手職員とのフリートークですとか、あるいは少人数での県庁所属の体験セミナーといったようなものも実施しております。
加えまして、昨今応募者の少ない総合土木などにつきましては、学生を対象とした工事現場見学会といったようなものを実施しておりますし、学生はやはり親御さんの御意見に影響されるところがまだあろうかと思いますので、保護者向けの説明会なども実施しているところでございます。
こうした人材確保事業に積極的に取り組んで、県職員にも関心を持っていただくということに対応しております。
現在、コロナ禍ということもありまして、直接対面で働きかけるとか、県庁職場をリアルに体験していただくというのがなかなか難しい御時世になっており、どうしてもそれでオンラインというのが主流となっていますが、逆にオンラインを導入することによって、これまでなかなか連絡がつかなかった地域の方ともつながれるというメリットもございますし、コロナ禍でもって逆に地方志向が強まっているというような話もあるので、そういう意味ではチャンスが来ているのかなと思っております。
そうしたことから、今後とも感染状況にも留意しつつ、より効果的な情報発信の方策を検討いたしまして、
任命権者とも連携しながら、優位な人材の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
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針山委員 大変丁寧な御答弁いただきました。
通年採用はしないという話だったかと思いますけれども、民間企業は通年採用もしております。また何かチャンスがあれば御検討いただければと思います。
今、なかなか人材が不足しているのがDXの人材だという話もあったかと思います。先ほどからの部局長の御説明の中で、来年度の事業の中でDXとか、データとか、そういった言葉が冠に乗っている事業が大変多かったというふうに思っておりますし、今度はDX人材の育成・確保という面で、上級採用試験にデジタル枠を新設するという内容も見られます。
これまでの実績とか経験を考慮して、職務経験者とか、就職氷河期世代の中でデジタル枠を採用してこられたという経緯もありますけれども、上級採用試験にそのデジタル枠を新設するということは、これまでの実績とか経験といったことが分からないまま採用をしなくてはならないということだと思います。AIとか、IoTとか、ビッグデータを使える方ではなくて、それを使ってさらに組織の活性化とか、組織をイノベーションする人がデジタル人材だというふうに思うんですけれども、そういった能力を見極める選考方法というのはどのように考えておられるのか、
山本人事課長にお伺いします。
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山本人事課長 今ほど委員のほうから御紹介がありましたとおり、デジタル人材の確保につきましては、職務経験者、UIJターン、また、就職氷河期世代を対象とした採用試験におきまして、今年度からデジタル枠というものを設けまして、職員を採用しているところでございます。いずれも、委員御指摘のとおり、経験ですとか、これまでされてきた仕事の内容、そういうようなことを見て採用試験を行ったところでございます。
令和4年度からは、これらに加えて、上級試験におきましても、デジタルの区分を設けまして採用することとしておりまして、現在、求める人材像ですとか、また、採用後のキャリアパス、また試験問題をどうするか、このようなことにつきまして、採用試験を実施する人事委員会と
任命権者側であります人事課との間で協議をしているところでございます。
任命権者側として求める人材といたしましては、デジタル技術やデータの活用に関する知識と、また施策事業の企画立案、推進をしていく能力を併せ持ち、情報管理部門のみならず、各部局の業務について、デジタルで何ができるかを理解し、また行政や産業、地域社会のDXにつながる各種施策を中心となって企画・立案し、また関係者と協議して実行していけるような人材を求めていきたいと考えております。また、採用後、そうした人材に育てていきたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、まずは現在検討中でございまして、デジタル人材の不足ということが言われている中で、よい人材を確保できるように、今後とも人事委員会と協議を重ねていきたいと考えております。
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針山委員 DX人材については、本当に民間との奪い合いもありますし、日本中というか、もう世界中での奪い合いになるかと思います。本当にしっかりと確保を目指していただきたいと思います。
最後に、DX施策立案高度化事業についてちょっとお伺いしたいと思います。
シンガポール国立大学と連携するという話でございます。私も初めてシンガポール国立大学という言葉を聞いて、さっきインターネットで見とったら、アジアでナンバー1と言われる大学だということですが、なぜシンガポール国立大学かということと、どのくらいの期間でどんなことを求めているのかということを少し簡単に、三
牧知事政策局長にお伺いしたいと思います。
35 三
牧知事政策局長 シンガポール国立大学との研修については、昨年補正事業で一度やっておりまして、その際に今委員もお調べいただいたように、世界的にもシンガポールのDXのレベルが高いこと、あわせてリー・クワンユースクールについては、まさに官民連携で行政課題に取り組むということに非常にノウハウがある学校でございまして、そちらの学校のほうからも提案をいただいたということもあって昨年実施しており、昨年はほぼ2か月ぐらい、週に1日を費やして5名の方に参加いただいて、その辺しっかり成果は出たんですけれども、ちょっとペースが速すぎたので、今年度はもう少し長いスパンで、半年まではいかないが、三、四か月ぐらいを使って、週に半日ぐらいでやっていくことを今検討しております。
まだ最終的に固まっていませんので、また固まり次第御説明させていただきます。
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山崎委員 富山県
成長戦略では、ウエルビーイング──真の幸せを実現するに当たりまして、今後具体的な指標が求められるというふうに思います。国でも現在検討されており、また、ほかの自治体でもそれぞれ指標が掲げられたり、検討されていると聞いております。
富山県では、富山県の特徴を生かした県民が意欲的に取り組める指標を掲げる必要があると思われますが、今後どのような方針で検討を進められるのか、島田
戦略企画課長にお伺いしたいと思います。
37 島田
戦略企画課長 先ほど御説明がございましたけれども、令和4年度当初予算において、ウェルビーイング調査普及啓発事業を計上しております。この事業におきまして、ウエルビーイングの向上に向けて、本県のウエルビーイングを測る指標を設定することとしています。
ウエルビーイングにつきましては、一人一人の主観的な幸福度を重視していまして、ウエルビーイングを構成する要素としては、経済的、身体的に満たされ、その上で社会的なつながりはどうか、また、社会に貢献しているか、チャレンジができているかといった社会的なものも含めて、様々な要素が関係してきていると考えております。
このため、県といたしましては、まずは県民のウエルビーイングのニーズ調査を行いまして、県民の皆様が求めるウエルビーイングを把握し、その向上につながる要素を抽出していきたいと考えております。その上で、抽出したウエルビーイングの要素を測る指標を設定し、その向上に資する施策の検討に加えて、その施策の効果を図ってまいりたいと考えております。
また、ウエルビーイングの向上につながる県民や事業者の取組を促すことも重要であり、そうした観点から指標を検討することも一案と考えております。
委員御指摘のとおり、ウエルビーイングの指標については、これまでも国や他の自治体でも検討されていますので、指標の設定に当たってはこれらも参考にするとともに、専門家の方々の意見もお聞きして、県民が意欲的に取り組めるような、本県ならではの指標を設定していきたいと考えております。
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山崎委員 では、よろしくお願いいたします。
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鹿熊委員 手元に配付されていましたが、特に報告はなかった令和4年度行政改革の概要と、それから富山県
女性活躍推進戦略という2つの観点が、ちょうど私の今日の質問の基礎的な資料にもなりますので、これを基に質問したいと思います。
まず、第1点目ですが、令和4年2月、富山県行財政改革推進本部──知事が本部長でありますこの推進本部で決められた概要が手元に配付されておりまして、その中の1ページ目の4つ目の柱に、
官民協働事業レビューの本格実施を令和4年度やろうと、こういうことが決められております。このことについて取り上げてみたいと思います。
これは令和3年度に試行した結果、よかったと、こういう評価の下に本格実施をやろうということだろうと思いますので、まず、この令和3年度の試行の成果、特に官民協働でありますから、民が参画した成果について質問したいと思います。
試行では、創業支援、それから国際工芸アワード、園芸産地支援の3事業を取り上げてレビューが行われております。成果を聞きたいと思います。
40 熊本行政経営班長 今ほど委員からもありましたけれども、試行につきましては、先月、創業支援、国際工芸アワード、それと園芸産地支援の3事業について、試行的に実施したというものでございます。
今回の試行におきましては、委員として、河野太郎前行政改革担当大臣をはじめ、県内企業経営者の方、大学生、大学院生、また、事業レビューに精通した方に御参加いただき、それぞれの立場から大変建設的な御意見をいただいたところでございます。それらの意見を令和4年度予算案に反映させることができたことは、大きな成果であると考えております。
また、レビューの場におきまして、職員が事業内容について委員の方に直接説明したり、議論したりすることを通じて、事業内容や県の姿勢についてより理解を深めていただくよい機会になったと考えております。職員にとっても、県民に理解、納得いただけるよう分かりやすく伝える工夫の重要性について再考するきっかけになったと考えております。
さらに、この試行の3事業に共通する委員からの御意見として、事業の目的や目標、効果を明確にすべきだという意見があり、公費を使って実施する事業として本当にふさわしいのか、事業本来の必要性を考えることが大事であると、職員に改めて気づきがあったことも成果の1つと考えております。
一方、参加委員のアンケートにおきましても、官と民が実際に対話することにより、事業がよりよいものに磨かれたとか、外部からの客観的な目線で民意を取り入れるよい機会であるという御意見もいただいており、実施の意義を感じているところでございます。
令和4年度におきましても、引き続き
官民協働事業レビューを活用いたしまして、県民目線に立った事業の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
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鹿熊委員 ネットでこの事業レビューでの意見を、3事業について載っておりましたので見てみましたが、これぐらいの意見は県庁内部で出ないのかなというふうに思いました。これでよかったというのであれば、県の事業の全てにおいて官民協働レビューが必要でないかなというくらいに思ったところも正直ありますが、令和4年度は20事業程度を予定しているということですが、今の時点では、どういう方針で選定される予定なんですか。
42 熊本行政経営班長
官民協働事業レビューの試行としては、事業の抜本的見直し・再構築の対象だった事業のうちの3事業について実施したところですが、来年度の本格実施におきましては、対象事業を20事業程度に増やして実施したいと考えております。
その選定についてですが、試行においては3事業、3部局を対象としていたところ、本格実施におきましては、全部局を対象に実施したいということ、また、試行の際に、委員のほうから社会情勢の変化により事業の役割が変わってきたのではないかとか、事業効果を図るための適切な指標の設定が必要ではないかといった意見をいただいたところでございます。
これらのことを考慮しまして、対象事業については、500万円以上の事業のうち、1つ目として、長期間実施し、時代や社会情勢の変化に即しているか検討を要するもの、2つ目として、市町村との役割分担を検討する必要があるもの、3つ目としては、民間委託や県民協働の導入を検討する必要があるもの、4つ目として、事業効果について検証が必要なもの、以上の4つの要件のいずれかに該当する事業から選定したいと考えております。
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鹿熊委員 選定する主体はどちらですか、各部局ですか、それとも行財政改革推進本部、どこですか。
44 熊本行政経営班長 具体的な事業の選定につきましては、まず各部局から候補となる事業を上げていただいた上で、事業の見直しの必要性をはじめ、部局ごとの事業数や事業内容のバランスなどを考慮して、担当課のほうで決定したいと思っております。
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鹿熊委員 委員の選任方針というのは、現時点ではどのようにお考えですか。
46 熊本行政経営班長 令和4年度の
官民協働事業レビューにおきましても、試行と同様、幅広い視点で御意見を伺いたいと考えていますことから、学識経験者や県内企業経営者、また大学生などに委員として御参加いただきたいと考えております。
また、委員の人数については、限られた時間の中でより活発な議論を行っていただきたいということから、1事業当たり4名で実施したいと考えております。特に試行の際には1名を基本としていた、事業レビューに精通した方につきまして、本格実施では2名に増やすことにより、議論をよりスムーズにし、より深みのある、また突っ込んだものにしたいと考えております。
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鹿熊委員 この
官民協働事業レビューというものについて大変重視しておられるということで、突っ込んだ議論、深みのある議論ということですが、この令和3年度の試行の運営方針を見てみますと、1日で3事業、しかも1事業当たり1時間ですよね、その中で当然当局の説明もあり、意見交換がありということで1時間、これで果たして深みのある議論になっているのかなというふうに正直言いまして思いました。要するに1事業を1回で、1時間で済ませていると。
本当にこれで、言われるところのレビューとしていいのかなと。やはりせめて2回やるとか、もっと時間をかけてやるというのが、事業のレビューの目的に照らせば、そういうことにおのずとなってくるんではないかなと思いますが、運営方針については、どういうお考えでしょうか。
48 熊本行政経営班長 本格実施におきましては、先ほども答弁したとおり、20事業程度を想定しております。1事業当たりの時間につきましても、現在のところ試行と同様、1時間ずつとして検討をしております。
ただ、今委員御指摘のとおり、1時間と限られた時間の中でというようなお話でしたけれども、そのための工夫といたしまして、先ほども申し上げたとおり、委員の人数を減らしてより深みのある活発な議論を行っていただきたいということと、事業レビューによく精通した方を増やすことによりまして、論点の整理をよりスムーズなものとし、レビューの目的を果たすことができるよう工夫していきたいと考えております。
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鹿熊委員 あまりくどくど言うつもりはないんですが、レビューに精通した人というのは、どういう方を想定しておられるんですか。
50 熊本行政経営班長 実際今年度の試行におきまして、そういう方にも入っていただきましたが、これまで国やほかの自治体においても事業レビューというのをやっていまして、そういった事業レビューに委員として参加された方を想定しております。
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鹿熊委員 各事業にはその事業の背景があって、そしてまたその事業経過の中でPDCAの歴史もあって、しかし、そういう中でも当然見直しは必要だというふうに思っております。ただ1回のみ、しかも1時間でというのは、あまりにも形式的過ぎるのではないかなと、幾ら人数を減らして、レビューに詳しい方が入ったとしても、という思いであります。
本格的に実施されて、またその成果を見てみたいとは思いますが、取りあえず今現時点でどうかなという点を質問させていただきました。
次、第2点目です。
県出身女性の
県外転出超過対策についてであります。
令和3年度の富山県人口移動調査結果速報が1月28日に出ましたが、それによれば、令和2年10月1日から令和3年9月30日までの人口の転出超過は1,978人で、このうち女性の転出超過は1,309人、さらにそのうち20代の女性の転出超過は1,084人ということで、前年よりは71人転出者が増えとるということです。
これまで様々な対策が講じられてきましたが、現在もなおこのような傾向が続いているという状況であります。
この20代女性の転出超過は、少子化や地方活性化、産業の成長等に影響を及ぼしておりますし、また、この問題には働き方とか、男女の役割分担とか、産業構造など様々な問題が凝縮しているように思っております。
そこで、この問題に関する部局横断のPTを設置し、しっかりと要因を分析し、効果的な対策を講ずる必要があると考えるが見解を問う、というのが私の質問ですが、今日手元に配られています富山県
女性活躍推進戦略(案)を見させていただきますと、その冒頭にまさに私と同じ問題意識で、なぜ富山県内の民間企業において女性活躍を進めることが必要なのかと、こう1ページ目に書いてあります。
そして若い女性の転出超過を問題にしていまして、これが一番問題なので、この富山県
女性活躍推進戦略(案)をその対策として柱に据えて検討しているという報告書がありましたので、多分この答弁としては、この戦略のとおりやればいいということでなかろうかと思いました。
そこで、確かにこの戦略をよく読めば検討された跡がうかがえますが、ただ、そうはいいましても、この戦略は企業における女性活躍という点に焦点を当てておると思いますので、これで十分かという観点からの検討は必要だろうと思います。
より重要なことは、この戦略案の実行体制ではなかろうかと思っておりまして、この目次を見てみましても、多くの戦略の場合は、最後のほうに戦略の実行体制というものが載っていることが多いかと思いますが、この戦略を見ますと、それがありません。6番目に、「県の支援策」というのが載っているくらいです。
特に、4番の「課題を解決するために」という15ページからのところをざっと見たんですけれども、やはり企業に対しては、この女性活躍を阻む課題を解決するためには、性別によるアンコンシャス・バイアスを意識しながら取り組む必要があります。まず、企業の課題については、次のプロジェクトを進めましょうというような言い方で、要するに企業に対して、あるいは家庭に対して推奨している程度であります。
また、県の支援策ということについても、これこれの支援をいたしますという表現であり、これでは今、私が問題提起いたしました若い20代、この戦略では15歳から34歳となっておりますが、その中のコアの部分の20代女性の転出超過の対策としては、少し弱いのではないかなと思っておりまして、この推進戦略の推進体制というものにおいても、しっかりと責任者を決めて各部局横断的に推進していくような体制が必要でないかなと思っております。それがこの20代女性、若年女性の
県外転出超過対策に直結していくんではなかろうかと思います。
そこで、質問といたしましては、この戦略案で十分なのかという点と、それから推進体制について、三
牧知事政策局長にお伺いします。
52 三
牧知事政策局長 まず、まさに
女性活躍推進戦略の冒頭に書かせていただいておりますが、若い女性の転出超過につきましては、少子化の進行を早めて、企業にとっては働き手不足、人材不足、そして顧客の減少ももたらすと。
一方で、県民にとっては、様々なサービス縮小につながる。その結果、地域経済の縮小につながり、地域の魅力が減退し、さらに流出が加速すると。そうした悪循環を引き起こす非常に重要な課題だと認識しております。
そういう意味で、
鹿熊委員から言及のありました富山県
女性活躍推進戦略、これは1つの柱ではありますが、このまさに企業の中であったり、どちらかというと企業の中で活躍したい女性に向けてはこれで十分だと考えますけれども、これだけで全てを網羅していると考えてはおりません。
そのため、まさに富山県
成長戦略の中に、本県の若い女性の県外流出に対応するために、真の幸せ(ウェルビーイング)戦略を柱の1つと位置づけておりまして、特にその中でまさに若い女性のウエルビーイング向上、それによって流出を抑えていこうという取組が盛り込まれています。
女性の転出超過につきましては、様々な問題にかかわっていると考えておりますので、その要因をしっかりと深掘りして対策を講じていく必要がありますし、委員御指摘のとおり今までもある程度取り組んできていると、その意味で非常に構造的な問題であると考えますので、まさに部局横断でその構図を変えていく、そうした政策パッケージをつくっていくというのが非常に重要だと考えております。
そのため、先般取りまとめた
成長戦略の
アクションプランにも、この
女性活躍推進戦略、まさに活躍したい女性に向けての政策パッケージも入ってはいるんですけれども、あわせて男性の育児や家事への参加や子育て支援の充実など女性を取り巻く環境の整備、そうしたものも含めて部局横断的な施策を
アクションプランに盛り込んでいます。
それについて、しっかり着実に実行していきたいと考えておりますし、来年度には、組織改編で庁内のウエルビーイング政策を統括するウェルビーイング推進課を知事政策局に新たに設置しますので、同課において、そうした施策を取りまとめるとともに、まずは県内出身で現在首都圏に住む若い女性を対象にアンケート調査を実施し、実際に何を求めて何に幸せを感じるかを調査分析したいと考えております。もちろんそれをまた次年度の
アクションプランにつなげていきたいと考えております。
そういう意味で、調査分析結果につきましては、
女性活躍推進戦略の施策も含めて、
成長戦略会議、またはウエルビーイングのワーキングでしっかりと議論を深めてPDCAを回すとともに、ウェルビーイング推進課が中心となって部局横断的に検討を進め、効果的な対策を打っていけるように取り組んでいきたいと考えております。
また、
成長戦略の中の考え方なのですが、どちらかというと女性を県内に縛りつけるのではなくて、やはり出入りの活性化の視点から、残りたいから残る、帰ってきたいから帰ってくるといった自発的な取組につなげるように、留意して施策を検討していきたいと考えております。
53
川上委員 成長戦略ビジョンセッションを終えてということですが、先日、第8回の戦略会議をユーチューブでじっくり見させていただきました。これまでもいろいろ聞かせていただいたりしたものが、こうやって形として現れているのかなと思って視聴しておりました。
そこで、今
ビジョンセッションを終えられたが、その中での市町村の反応について県はどのように受け止めているのかということと、この後、何かカンファレンス会議を県内外で実施するとかという話もユーチューブに載っておりましたけれども、今後の展開についてどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。島田
戦略企画課長、お願いします。
54 島田
戦略企画課長 富山県
成長戦略ビジョンセッションにつきましては、今御紹介いただきましたけれども、知事自らが県内15市町村を訪問いたしまして、
成長戦略ですとか、その
ビジョンについて説明するとともに、県民の皆様と富山県の未来を共に考え、共に創り上げていくことを目的として開催したものです。
平日の夜、あるいは週末の開催にもかかわらず、多くの皆さんに御参加いただきまして大変ありがたいと、感謝申し上げたいと存じます。
この
ビジョンセッションにつきましては、2時間という限られた時間ではございましたが、参加者の皆さんには熱の籠もった御議論をいただきまして、例えば魅力的なまちづくりやウエルビーイングの向上など、幸せ人口1,000万の実現に向けた地元愛あふれる様々なアイデアや御意見をいただいております。
皆様からいただいた御意見につきましては、
成長戦略の策定に生かすとともに、御提案などをグラフィックレコードや一覧表にして、先般取りまとめました
成長戦略に掲載しています。今後の施策の検討の際の参考にしていきたいと考えております。
また、参加された方々からは、今回の
ビジョンセッションにつきまして、世代を超えて地域について語り合うよい機会だったとか、あるいは継続的にこのような場をもっとほしいというような御意見をいただいております。
また、実際に幾つかの市町では、参加者の皆さんが御連絡を取り合い、引き続き集まって地元の未来ですとか、まちづくりについて語り合う機会を持っていただいております。
ビジョンセッションを通じまして、各地域の未来を地域の皆さんで考えて、地域で取り組んでいただく、こういったきっかけになったのではないかと考えております。
また、今ほど委員からも御紹介のとおり、来月からは
成長戦略や
ビジョンを共有する県内外の方々に集まっていただきまして、
成長戦略の議論を深めて連携して取組を進める、そのようなきっかけづくりの場として、富山県
成長戦略カンファレンス「しあわせる。富山」を3月12日から10日間開催いたします。
この期間中のイベントの1つといたしまして、今回は県内4か所において、広域的な
ビジョンセッションを開催することとしており、このほか先ほど御紹介しました自発的に開催されている
ビジョンセッション、その成果を御発表いただくこととしておりまして、各地域での
ビジョンセッションの継続的な取組を支援していきたいと考えております。
また、委員から御質問のありました
成長戦略の実現に向けましては、県民や市町村、あるいは民間企業や関係団体の皆様と
ビジョンを共有いたしまして、
ワンチームとなって進めていくことが不可欠であると考えております。
また、具体的な事業の実施に当たりましては、その分野に関心のある市町村の取組を後押ししながら、
成長戦略の実現を目指して進めていきたいと考えております。
55
川上委員 ビジョンセッションは、地域ごとの意見交換の場をつくり上げていくという意味では、大変意義があったのかなと思っています。
そこでなんですが、
成長戦略の中で県の役割は、「解決すべき社会的課題の現場であり、市町村が必要とする共通インフラや政策リソースを補完することが重要となっています」と。「この実施に当たっては、領域ごとに意欲ある市町村との連携の下進めます」と。こういう表現がしてあります。さらに事なかれ主義を排し、攻めの行政に取り組む。このように
成長戦略の中に記されています。
市町村の中でもこの
成長戦略に触れて、県民イコール市町村民ですから、幸せ人口1,000万人に対して、ではうちの規模だと幸せ人口40万人かなと、こういう御発言もあるところですが、こういうイメージ観でよろしいでしょうか。
56 島田
戦略企画課長 今委員に御紹介いただきましたように、様々な地域の魅力資源、そういったものを活用し、発信していくことによって、例えばある町では、ファンクラブ的なものをつくっていくことによって、関係人口増やしていけるだろうと。では、1万ぐらいいけるかなみたいな、具体的な数字もおっしゃっていただいたかと思います。
そういったお取組と県の施策、支援施策も連携しながら相乗効果を図って進めていきたい、そういうふうに考えております。
57
川上委員 連携というのは大切なことだと思いますが、ただ、この戦略会議の8回目を聞いていて、最後に意見交換の場がありました。その中で、状態評価や空間的状況をいかにKPI化するかということや、非常にファジーな状況をどう具体的な数字に落とすかということ、そしてそういうことによる時間軸のロードマップが必要だと、委員の方がおっしゃっていたわけですけれども、これは大変なことだなと改めて感じました。
状態を現すいろいろな見方として、例えば古い例でいいますと、フェイスメゾットなんていうのも、そういうものの手法として使われてきたと思いますが、これからこういうものを県の方々がまとめ上げ、市町村側でどうするかということをどう伝えていくかという、そこら辺が難しいと思うんですが、いかがですか。
58 島田
戦略企画課長 第8回目の会議で、今委員から御紹介いただきましたような御指摘、御提案をいただきまして、非常に大きな宿題をいただいて、しかも非常に大事な視点かというふうに考えています。
成長戦略の委員からは、
アクションプランの事業、これを実施したということをKPIにするのではなくて、実施してどのような姿になったかということを考えていくことが大事だと、御指摘いただいたかと思います。
その点につきましては、新年度において、PDCAを回しながら進捗を管理していく中で、どのような姿を目指していくのか、その辺も含めてお示ししていく必要があるのではないかと考えております。
59
川上委員 戦略会議の最後を締めくくった中で、座長さんと知事の言葉が大変印象に残りました。
1つは、座長は、民間企業ではGDPを求めてきたが、こんな話を聞いていると、やはりえらい大きな転機だなというふうにおっしゃったこと。それともう1つ、知事は私も民間でそうやって求めて来たけれども、ワクワクしなかったと。だから、今度は
成長戦略議論を続けて、お祭りを続けていくという表現だったんです。
私は、このお祭りを続けていく、という言葉に大変に違和感を感じました。ワクワクすることは大事なんです。だけれども、祭りというのはよくあるように、祭りの後の気分になっては困るんです。その部分を県民、市民が抱いてしまうと、何だったんだということにもなりかねませんので、これからKPIをいろいろやられるということで、非常に漠然とした中でどう進めるかというのは大変難しいと思いますが、案外分かりやすくできるのは、いかにビジュアル化するかということだと思うんです。ぜひビジュアルに落としてやっていただきたい、私も本当に以前からそういうものを求めているのですが、いかがでしょうか。
60 島田
戦略企画課長 今御提案いただきましたビジュアル化というところですけれども、例えば今回
ビジョンセッションの取りまとめとしまして、グラフィックレコーディングという形で、いただいた御意見をビジュアル化してみました。会場でそれを共有しながら議論しますと、何となく皆さんが一体感を持つといいましょうか、イメージしている方向性が分かるような形で議論が進んだかと思っております。
そのような形で、イメージを視覚化して皆様と共有するということは、戦略を進めていくには非常に大事なことかと思います。どのような形にできるかも含めて、引き続き検討していきたいと考えております。
61
川上委員 何かワクワクするようなビジュアルができることを期待します。
もう1点だけ、これは非常に実務的な話ですけれども、我々議会としてもリモートでの研修とかをやっているところですが、先日ある方から、こんな講習会わざわざ富山へ行って受けんなんがと、こういうふうに言われたこともあったりして、今、県民や市町村向けの講習会などのリモートでの開催とか、そういったものについての取組姿勢をどのように考えておられるのか、お聞かせください。
62 前田
行政デジタル化・
生産性向上課長 委員御指摘のとおり、リモートやリモートと集合のハイブリッド研修会や講習会は、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに急速に普及しております。リモートの研修会、講習会は参加者、主催者ともにメリットがあるというふうに考えておりまして、例えば参加者につきましては、集合の場合と比べて会場までの移動が不要になったり、会話とチャットの両方で講師とコミュニケーションができたり、録画配信されることによって、時間の制約がなくなるなどのメリットがあると考えております。
また、主催する側も、県外講師の来県や大きな会場が不要になったりするなど、コスト削減や行政の効率化といったメリットがあると考えております。
こうしたリモートの特性を踏まえまして、研修会や講習会の実施に当たりましては、県民のニーズや研修、講習の内容等に応じた適切な方法を選択するということが大事かと思っております。
今後とも県民の利便性向上や行政の効率化の観点から、各部局におけるリモートやハイブリッドでの研修会、講習会の実施を支援してまいりたいと思います。
63
川上委員 いろいろな制約があるかもしれませんけれども、やはり狭い富山県とはいうものの、東、西もそうでしょうけれども、富山の県民会館だったら、そこに何時までに来てくれと言われるとなかなか大変です。1時間ほどのこととか、デジタル化を盛んに言っている中で、各課共通にそういう意識を持ってやっていただくことをお願いして、質問を終わります。
64
中川委員 先ほど
報告事項の案件の中で説明は直接なかったんですが、令和5年度以降における県立・
私立高等学校入学定員割合と、いわゆる公私比率について報告がありましたが、このことについて3点ばかり質問したいと思います。
昭和55年からこの富山県公私立高等学校連絡会議というのがありまして、要するに公私が協調して高校教育の振興に努めていると。それぞれの募集定員は、中卒者の進路の動向と中学生の進路希望調査結果などを踏まえて、公私間で協議を重ねて双方の合意に基づいて設定しているということがあるわけです。
そうした中で、今回は令和5年から7年間の3か年についての募集定員割合を決めたということでございますが、まず聞きたいのは、このために4回開催して決めておられるということですが、具体的にどんな争点でこの4回にわたってお話をされてきたのか、掃本
学術振興課長にお伺いします。
65 掃本
学術振興課長 富山県公私立高等学校連絡会議については、今ほど委員から御紹介のあったとおり、今年度4回開催いたしております。その中での争点といいますか、論点としましては、公私比率に関しては、中学校卒業生の県外高校への進学が進んでいること、これは私学だけじゃなくて公私共通の課題かと思っております。公私双方で定員が未充足となっていることについて議論があったところです。
また、公私比率以外につきましては、県立高校における二次募集の在り方について、私学のほうにも影響があるということで議論されたというところです。大きくは以上でございます。
66
中川委員 中学生の意向調査ということで、前の答弁なんかを聞いておりますと、要するに県立に行くのか、私立に行くのかといったような意向調査を受けてやっていると。そういう中で議員の皆さん方も、充足率が県立も私立も満たされていない、そしてまた、私立の健全な経営ができないといったことから、何で県立が二次募集するんだというような質問もあったわけです。
昭和55年からこれまでもう何回も公私連絡会議をやってきていますが、公私比率というのは22.数%と、ほとんど変わっていないわけであります。ですから、何か意向調査だけで決めて、それで経営状況がどうかといったような話の中からしか論点が出て来ないのではないかと思うんですね。
私は、もう少し私学振興の立場から、
学術振興課も多分私学の立場に立って意見を出しておられるんじゃないかなと思いますが、そういう立場からどのような意見を出しておられるのか、伺っておきたいと思います。
67 掃本
学術振興課長 今回の公私連絡会議の中でも話題に上がりましたけれども、私学サイドとしましては、中学校卒業生の減少に歯止めがかからず、私学経営は厳しいという状況が続いているということで、公私双方の充足率の向上を図る必要があると。先ほど申し上げましたが、県立高校の二次募集の実施により私学経営に影響があるということで、在り方の見直しを求めたいということで、こういったことにつきましては、今回の会議に限らず、私学団体のほうからも私どものほうに御要望いただいておりますので、私どもとすれば、私学振興の立場として主張をしてきたわけです。
今回、公私比率の合意に当たりましては、近年の進路実績とか、私学支援の観点も踏まえまして、私立高校の配分が少しでも確保されるよう、教育委員会との調整を働きかえた結果、双方の公私間格差が1.0ポイント縮小したということで合意に至ったというところでございます。
私どもとしましては、生徒・保護者のニーズも踏まえながら、私学振興の立場から公私間の格差の縮小が図られるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。
68
中川委員 これまでずっと22.1%とか、22.2%とか、22.幾つということで、ほとんど数字だけを追いかけている結果になっているわけです。ただ、その結果だけを求めて協議しているというのは、なんと情けないことだなと思うんですね。
やはり中学生が高校に上がったときに、何を学びたいかといったようなことをもっともっと深掘りしていかないと、ただ単に県立に行きたいのか、私立に行きたいのかだけで決めているということが、私は非常に情けないと思うんです。
やはり私学でも、今の中学生なんかは、クリエイティブな仕事を求めたいとか、美術をやりたいとか、ICTを勉強したいとか、あるいは英語をもっと勉強して海外にも行きたいんだとか、そういう希望がたくさんあるわけですよ。だけれども、県立を選ぶということは、とにかく今までの家庭環境とか、親とか、あるいは富山県の社会からいくと、まず何を学びたいかや、何をしたいかということで選ぶのではなく、「あんた、どこの高校へ行かなきゃ駄目だ」と、あるいは高校を出て大学に行かなければいけないということで、「県立のどこの高校か、そしてどこの大学へ行くのか、将来を考えなさい」といったようなことが、ずっと40年余り続いてきているわけですよ。
私はそのことが、富山県の10代の若者が自分たちが学びたい、選びたい、そういう学校がないということにつながっているんではないかと思うんですね。
ですから、非常に息苦しい富山県になっているんじゃないかと、痛切に思うわけであります。本当を言えば、公私協議の中では、私学としたら、うちはこういう学科でどんどん押していきたいんだと、それは県立高校ではできないんじゃないですかといったような議論を交わす中で、例えば、英語の話をしましたが、国際大学の附属高校だとか、あるいは第一高校だとかは、海外と姉妹提携して留学もさせたり、いろいろなことをやっているわけですよ。
そうすると、そういうことが果たして県立高校でできるのかというと、私はなかなか今までの流れを見ていると、叶っていないと思うんですね。
ですから、むしろ私学のほうから、そういうこと、あるいは美術をやりたい人をどんどんつくっていくことはお任せしなさいと。そしてまた最近はスポーツ関係でいくと、部活の関係ではやはり学校の教師もなかなか大変だということで、学校から切り離していかなければいけないようなものもありますから、スポーツ系についても、私学にもっと任せてくれと。そこで協議をして、県立高校ではこういう役割、私学ではこういう役割を担って、子供たちが本当に学びたい教育を進めましょうという話合いが、多分全くやられてないんじゃないかと思うんですね。
そういう中で、結果として、公私間比率が30%になったとか、25%になったとかいうことは、私はあっていいと思うんですよ。それができない限り、この富山県の高校教育というのは、非常に進歩がない。それから、世の中がこれだけ変化してきているにもかかわらず、高校教育がそれに対応し切れないのではないかと思います。
そういう面からいうと、やはり私学の立場というものについて、もっと意見を出させる。それが私学振興である
学術振興課の役割じゃないかと思うんですね。
これからの公私間の協議をやるときには、そういう課題をぜひ入れていただいて、子供たちがどう思っているか、何をしたいか、学びたいかという意見を出させた結果、公私間比率というのが出てくるような会議にしてもらいたいと思います。
恐らく3年に1回ですから、来年多分1回ぐらいだけ、顔合わせでやっていかれると思うのですが、これだけ物すごく早い勢いで経済社会が変わってきているわけです。それに対応するための教育なんですから、そのあたりをぜひ私学振興という立場から、私学の皆さん方と意見をぶつけて、そしてそれが県立高校の皆さん方にも、どういう高校の在り方かということに伝わっていくと私は確信しています。
学術振興課長には、せっかくこの会議があるわけでありますから、3年に1回数だけ決めるんじゃなくて、毎年こういうことをディスカッションしながら、どういう教育の在り方があるかということを議論できるような、そういう会議にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
69 掃本
学術振興課長 今ほど委員からは、激励の言葉をいただいたと、私は受け止めております。
今ほどおっしゃったように、私立高校は、県立高校ではなかなか取り組めないような、英語とか、国際、ICT、あるいは中高一貫教育といったことに取り組んでいます。
この公私立連絡会議につきましては、通常は年1回ほどですけれども、今後複数回開催する方向で考えて、私学関係者の意見を十分拾い上げ、それを教育委員会とよく調整というか連携できるようなこともまた考えていきたいと思っております。
70
中川委員 そうすることによって、10代の多感な若い子供たちが何を学んだらいいかを選べるような学校づくりをするというのは、私は非常に大事だと思うんです。
今20代の女性たちが富山県からどんどん出て行ってしまっている。私は、そういう空気が富山県じゅうに蔓延しているんじゃないかと思うんですね。それを打ち破っていかないと、根本的な解決にはならないと思うんです。
特に何回も言いますけれども、やはり10代の多感なときにそういうふうに思ってしまうと、もういいと、県外へ出てしまって、もう帰ってくる気が起こらない。これは地方全体に関わることかも分かりませんけれども、富山県からぜひ今お話ししたような学校づくりをして、現状を破っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
71
平木委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑・質問を終わります。
2 陳情の審査
72
平木委員長 次に、陳情の審査に入りますが、今回は付託されておりませんので、御了承願います。
3 その他
73
平木委員長 以上で、付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。
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